巻き爪とは
巻き爪(まきづめ)は、爪の先端が強く湾曲し、左右が皮膚に食い込む状態を指します。強く湾曲していても痛みを感じない場合もありますが、歩行時の圧迫や入浴時の爪の膨張により、痛みが生じることがあります。巻き爪が悪化すると陥入爪に進行することもあり、特に足の親指に多く見られます。原因としては、窮屈な靴の着用が関係していることがよくあります。
陥入爪とは
陥入爪(かんにゅうそう)は、爪が周囲の皮膚に刺さり込むことで、痛みや炎症、感染、化膿などの症状を引き起こす状態です。特に足の親指に発生することが多く、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
主な症状
痛み、腫れ、赤み、熱感、炎症、化膿、不良肉芽などが現れます。化膿が進行すると、強い痛みが生じ、歩行が困難になることがあります。
巻き爪・陥入爪の原因
合わない靴
先の細い革靴やパンプス、ハイヒールなどの履物は、指先に強い圧力をかけ続けるため、巻き爪や陥入爪を引き起こしやすくなります。特に長時間履くことで、足の指に慢性的な負荷がかかり、爪が皮膚に食い込みやすくなります。
深爪
爪を深く切りすぎると、爪の左右を支える皮膚の力が弱くなり、巻き爪になりやすくなります。また、爪の端を深く切ることでトゲ状のささくれができやすくなり、それが皮膚に刺さり炎症を引き起こし、陥入爪のリスクが高まります。
遺伝
爪の形や成長パターンには遺伝的要素が影響します。家族に巻き爪や陥入爪の傾向がある場合、同様の問題を抱えるリスクが高まります。遺伝的に爪が厚く、硬い場合も同様にリスクが増加します。
瞬間的に強い負荷がかかるスポーツ
サッカー、バスケットボール、テニスなどのスポーツは、足の指に瞬間的に強い負荷がかかるため、巻き爪や陥入爪のリスクが高まります。これらのスポーツでは、急激な動きや衝撃が繰り返されることで、爪に大きなストレスがかかります。
長時間の運動
軽い負荷でも長時間繰り返されると、巻き爪や陥入爪のリスクが高まります。登山やジョギングなどの活動を行う際は、フットケアを十分に行うことが重要です。
当院の治療
当院では、巻き爪や陥入爪の治療に対して、患者様一人ひとりの症状に応じた最適な治療法を提供しております。化膿している場合には、まず切開して膿を排出し、患部を清潔にした後、保存療法または手術療法を行います。どちらの治療法にもメリットとデメリットがあり、再発のリスクがあるため、患者様に十分な情報提供を行い、納得の上で治療法を選択していただくことが重要です。
保存療法
保存療法では、まっすぐで両端を深く切らない爪切りや適切な靴の選び方、フットケアについて指導します。深爪がある場合、爪を伸ばしてスクエアカットにするまでに時間がかかるデメリットがあります。また、再び両端を深く切ると陥入爪の再発リスクが高まります。
薬物療法
爪の脇に肉芽ができるとひどく痛みます。その部分にフェノールを塗布して脱落させるようにします。
手術療法
手術療法では、爪の根本的な改善を目指します。局所麻酔下で、爪母(爪を生成する部分)の一部を切除する手術を行います。痛みを引き起こしている部分の爪が再び生えてこないようにする効果があります。
治療期間が短く、根本的な改善が期待できるため、再発のリスクを大幅に減らすことが可能です。手術後は一定期間のケアが必要であり、術後の経過観察も重要です。