胸焼けとは
胸焼けとは、みぞおち付近に感じる焼けるような感覚、ヒリヒリする感覚、またはしみるような感覚を指します。人によっては、胸のつかえ感や痛みとして感じることもあります。主な原因は、胃酸が食道に逆流することです。
これは、過食や肥満による腹圧の上昇や、下部食道括約筋が緩むことで発生します。特に食道裂孔ヘルニアがある場合に起こりやすいです。胸焼けは悪化すると不眠を引き起こし、生活の質（QOL）を低下させることがあります。なお、狭心症や心筋梗塞などの心臓病も似たような症状を示すことがあるため、注意が必要です。
胸焼けを引き起こす疾患
食道アカラシア
食道アカラシアは、下部食道括約筋がうまく緩まないことによって胃に食べ物が入らなくなり、食道内に留まってしまう疾患です。この疾患は、迷走神経の異常が関与していると考えられています。食後の胸のつかえ感や胸焼けが特徴で、重症化すると吐き気や嘔吐を伴うことがあります。食道がんのリスクも高めるため、注意が必要です。
治療には薬物療法、内視鏡的バルーン拡張術、外科手術があり、最近ではPOEM（経口内視鏡的筋層切開術）も行われています。
食道がん
食道がんは、飲食物が通りにくくなることで食事時に胸や喉のつかえ感、違和感を引き起こします。症状が進行すると、体重減少、背中の痛み、咳、声のかすれなども見られます。
胃炎・胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胸焼けに加えて、食欲不振、胃もたれ、吐血、黒色便などの症状を引き起こします。
狭心症、心筋梗塞
突発的に胸を締め付けるような強い痛みを伴います。これらの症状には、胸焼け、冷や汗、吐き気・嘔吐が伴うことが多く、痛みは左肩、左腕、顎、歯、背中に放散することがあります。